私は現役の柔道整復師で整骨院を運営しています。
キャリアは15年近くになりますが、まだまだ真髄には遠く及びません。
きっとこの仕事に満足感というのはあるのでしょうか?
もちろん日々の達成感や充実感はあります。
ですが、到達感のようなものは無いものと覚悟しています。
満足感・到達感が出てきたと言うことは、大いなる勘違い、大きく考え方が間違っているのかもしれません。
一般的に、仕事とは、キャリアを上げていくと、能力と責任と収入のバランスが比例します。
一般的には、キャリアアップをモチベーションとして仕事と向き合っていけるのではないでしょうか。
更に欲が出てくると、「自分の好きな仕事でキャリアを伸ばし高収入を得られたら最高!」という考え方にいたると思います。
また、誰も成し遂げていない未知のビジネスに挑戦する人もいるでしょう。
「好きだから」と言うよりは
- 楽しい
- ワクワクしたい
という考え方も最近のビジネスで流行っている考えではないでしょうか。
そういった観点から見ると、整骨院の経営はまるで割に合わないのです。
理由は、最初からある程度の客単価が決まっているため、いくらキャリア(年数)を積んだとしても収入はさほど変わらないからないのです。
これは、保険施術、自費施術もそんなに変わらないです。
むしろ体力があって無理がきく若い頃の方が収入は高いのかもしれません。
だから、大半の整骨院のオーナーはコンサル業や投資や異業種のビジネスを始めます。
その方がビックビジネスのチャンスがあるからです。
整骨院は、特に昔からある整骨院の方が単価は安い傾向があります。
10年、20年と年数を重ねたところで、工夫がなければ最初に設定した単価を上げることは不可能に近いでしょう。
開業した坪数、ベッド数がそのまま将来の収入になってしまうのです。
だから収入という観点から考えると、とてもじゃないが割に合わないと思います。
つまり、整骨院の経営は、金だけではやっていられないと思います。
実際、体壊したり、精神的に病んでいく先生も多いんです。
やっと本題です。
では、なんで8年も続けていられると思いますか?
整骨院を8年続けていられた理由
「人との出会いがお金以上に魅力的」
と言うこと。
実際、開業してから友達が増えました。
今は人生で友達が一番多いかもしれません。
うちで施術を受けていたことがきっかけで結婚した方もいます。
- 飲みに行ったりとプラベートでも遊ぶようになったり。
- 奥さんに紹介して家族ぐるみで付き合うようになったり。
- 一緒に筋トレや釣りをするようになったり。
友達が施術を受けにきている逆のパターンもありますけどね。
もちろん、残念な出会いなんていうのもはいて捨てるほどあります(笑)
- 理不尽な要求をしてくる人
- 故意に人を中傷する人
- 強引に詐欺を強要する人
- 脅迫をしてくる人
- 無理難題を押し付けてくる人
など。
実際の整骨院経営の苦労の8割は、人災(客だけでなく、スタッフも含む)ではないでしょうか。
残りがお金関係でしょうかね。
整骨院経営が楽しい思えるようになったのも40歳を過ぎてからです。
開業して3年くらいは「いつまでこの仕事をするんだろう・・・」と迷走していた気がします。
開業してあるていど経ってから気がつきました。
難解だったのは患者さんではなく、実は私の弱さが問題だったのかなと。
私の弱さとは
- 自意識過剰、
- 実は人が苦手
- 固定概念
- 肥大したプライド
- マウントを取ることで得られる優越感
- 敵対意識
- 過剰な自己顕示欲
- 過剰な承認欲求
- 知ったかぶり
キリがないですね。
恥ずかしい限りです・・・
こういう弱さを、気づき、克服させてもらえたのは、紛れもなく難解な患者さんたちです。
今ならハッキリと断言できます。
整骨院経営は、人間を人間らしく向上させるためのこれ以上ない学びの場だと。
自らの過ちに気がつき、反省し、また繰り返し、猛省し、更にまた繰り返し、自分にうんざりし、また繰り返し、大切なモノを失い、そしてまた繰り返す・・・
施術に関しても、友達を施術したり、患者さんが友達みたいになればなるほど、恥ずかしい施術はできません。
前よりも一層、勉強をして、施術の研究をするようになりました。
HPやSNSも同様です。
家族や友達に見られて恥ずかしくないHPやSNSにしたいですよね。
回数券やらない理由もそれですよ。
友達にセールストークして、回数券売れます?
MLMやっている方なら抵抗ないのかもしれませんが、私はできないですね。
なんというか、まとまらない文章になってしまいましたが、私にとって整骨院経営は、とにかく自分も人を大事にするということに尽きます。
治すとか、治さないとか、ということよりも、まずはとにかく自分も人を大事にするということに尽きるのかなと。
気がつくと開業して8年近い歳月が経ち、、、私はまだまだ遥か先の見えない終着地を目指しています。
川崎 浩司
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